2021.09.14 タオル作成コラム
初めて名入れタオルを作る時に、こう思う方も多いのではないでしょうか。簡単に言うと、匁(もんめ)とはタオルの重さを表していて、数字が大きいほどタオルは重く、厚くなっていきます。
では実際どのくらい違うのでしょうか?今回はその匁についての詳しい解説や、選ぶ時のコツや注意しておきたいポイントを順を追って紹介していきます。
まずは、そもそも匁って何なのか?という話ですね。
あまり聞きなれない言葉ですが匁とは重さ(質量)の単位の一つになります。 尺貫法という計量方法にある単位で、「1匁=3.75g」になります。身近なもので言うと5円玉1個当たりの重さが1匁(3.75g)だそうですよ。
タオル業界では古くからこの匁という単位を使ってタオルの重さを表すことが通例となっています。
1匁が3.75gなら200匁のタオルは200×3.75gで1枚750gなの?というと答えは「No」です。
この200匁という数字は、タオル1ダース(12枚)あたりの重さで表記されています。なので200匁のタオルの場合は、12枚の重さが200匁(約750g)ということ。 そのため1枚当たりの重さは750gを12で割った62.5gとなります。ややこしいですね……
細かい計算は皆さんやりたくないと思いますので、下の表に各匁のタオル1枚当たりの大体の重さをグラム単位に変えてまとめました。 各匁の重さはこちらを参考にしてください。
名入れタオルによく使われる160匁から240匁に加え厚手の260匁・280匁まで記載しています。
匁数 | 160匁 | 180匁 | 200匁 | 220匁 | 240匁 | 260匁 | 280匁 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
タオル1枚の重さ | 約50g | 約56g | 約62g | 約69g | 約75g | 約81g | 約87g |
名入れタオルによく使われるフェイスタオルの大きさは大体上の表にある匁が使用されることが多いですが、大きめのタオルになるとその分重さも増えていきます。 例えばスポーツタオルでは500匁(1枚約156g)程度、バスタオルは800匁(1枚約250g)以上のものが使用されることが多いです。
1枚あたりのg数を計算したい時、わざわざ匁を12で割って3.75をかけて……なんて計算するのは面倒ですよね。 そんな時は匁÷3.2をすれば1枚当たりの重さ(g)を簡単に割り出すことができますよ。上記表に無い匁の重さが知りたい時は計算してみて下さい。
(例)300匁の場合→300÷3.2=93.75g
800匁の場合→800÷3.2=250g
匁が重さの単位であるという事はお分かりいただけましたか?
ではこの匁という数字、タオルの重さだけを知るためだけの数字なのかというとそうではありません。
匁はタオルの重さに加え、「厚さ」の判断基準としてもよく使われています。 同じ大きさのタオルであれば、重さが増すほど生地は厚くなりますし、軽ければ生地は薄くなっていきます。
つまり、匁の大きい(重い)タオルほど厚みのあるタオルになり、匁が小さい(軽い)タオルほど薄手になるという事です。
もちろん匁だけでタオルの厚さが全て決まるわけではなく、素材や生地の生産国、加工方法などでもタオルの厚みは変わってきます。 ただ、基本的には匁が大きいほどタオルの厚みも増してきますので、匁は厚さの目安の一つとして良く利用されているのです。
粗品やご挨拶用のタオルでは最も一般的な厚みは200匁や220匁と言われていますよ。
もう一つ匁によって変わるものとして、生地の密度が挙げられます(筆者個人としては厚さよりもこっちの方が差が大きいと思っています。)
重さがあるという事はより多くの綿で織られているということ。そのため匁が大きくなるほど生地密度が高く、しっかりした質感のタオルになる、というわけです。
では匁によって実際どのくらい厚さや生地密度が違うのか、次の項目では写真なども交えてお伝えしていきます!
匁によってタオルの厚さが変わってくるのはご理解いただけたと思いますが、そうすると実物で比較してみたくなるのではないでしょうか。 手に取ってみるのが一番わかりやすい方法ですが、それが出来ないのがオンラインショッピングの弱点ですね…(-.-;)
そこで匁による違いが少しでもイメージできるように、写真も交えながら解説していきます。 ご覧いただければ、匁による違いもある程度はイメージしていただけると思います。参考にしてもらえれば幸いです。
まずは各匁のタオルをたたんで5枚重ねにした写真です。左側の160匁から一番右の240匁まで、少しずつですが高さが増しているのが分かります。
正直私が予想していたよりは差がありませんでした(笑) 確かに各匁でものすごく厚みに差があるわけではありませんが、160匁と240匁を比べると結構差があるのが分かると思います。
各匁のタオルの違いとしてイメージの参考にしてください。
続いては生地密度の比較写真です。差が分かるように160匁・200匁・240匁の3枚のタオルを使用し、下に黒・茶色の画用紙を敷いて撮影しました。画用紙の色がどのくらい透けているかを見てもらうと良いと思います。
160匁のタオルは下の画用紙の色が結構透けており、240匁のタオルでは画用紙の色があまり透けていないのが分かりますか?このように匁の大きいタオルの方が生地の密度が高いため、だんだんと透けにくくなっていきます。
200匁と240匁はパッと見同じくらいに見えますが、良く比べると200匁タオルの方がやや下の画用紙の色が透けているのが分かると思います。
タオルの生地密度というのは意外と重要で、使用感にも大きな影響があります。 匁が少なく密度の薄い生地はスカスカな質感となる反面、水を吸った時に絞りやすく、乾きやすいという利点があります。
逆に匁が大きい匁が大きい(匁が大きい)タオルはしっかりとしてフカフカした触り心地となる反面、絞る時はちょっと大変で、乾くのには時間がかかります。 匁を選ぶ時はこのような生地密度も考えて選ぶと良いでしょう。
20匁変わるとどのくらいタオルは変わりますか?というお問い合わせは本当に良く頂きます。 これに関しては言葉で説明することは難しいですが、誤解を恐れずに言うと「そこまで大きな違いはない」というのが正直な所です。
例えば180匁と200匁の名入れタオルを比べた場合、割合にして約10%程度の差になります。
これはパッと見て「こっちが200匁」「こっちが180匁」とすぐ分かるほどの違いはありません。手に取って比べてみると「こっちの方が厚いかな?」という程度の差です。 なので20匁程度の差であれば正直そこまでの違いはありません。
ただ、確実に違いはあるので差が40匁や60匁の差になると違いは結構出てきます。60匁以上の差が開くとはっきりと違いが分かるようになるでしょう。
匁差のイメージを言葉でお伝えすると、
20匁の差→パッと見では同じように見える。手に取って良く見比べると違いが分かる程度
40匁の差→パっと見では同じように見える。手に取れば割と違いが分かる程度
60匁の差→パッと見でも多少は違いが分かる。手に取れば明らかに違いが分かる
といったところでしょうか。ちなみに上のイメージは弊社スタッフが比べてみた感想です。人により感じ方は様々なので多少ご自身の感覚とは違うかもしれませんがお許しください。(;^_^A
上の説明や写真だけではあまりイメージが沸かないし、やっぱり実物を見て比較検討したい、という方には無料生地サンプルの発送も行っています。 よろしければ無料サンプル申し込み画面から生地サンプルをお申し込みください。2枚まで無料で匁の指定も可能です。
各匁のタオルを取り寄せて手に取って見比べることができますので、匁の違いを確かめたい方はお気軽にご利用ください。
※無料サンプルにはいくつかご注意点があります。詳しくはお申し込み画面の注意事項をご一読ください。
匁が大きくなると価格も上がるため、「匁が大きいほどタオルの品質が良いのでは?」と思われがちです。 しかし、匁が表しているのはあくまでもタオルの重さ(質量)であり、生地品質にはほとんど影響がありません。 ※ここでいう品質とは、タオルの風合い、柔らかさや縫製の丁寧さなどの事です。
生地そのものの品質は、匁よりも素材や生産地、加工方法など他の要因が影響してきます。
そのため、「匁が大きいから品質も良いだろう」と考えて作成すると、思わぬ失敗を招く事があるので注意しましょう。
では生地の品質は何を基準に判断すれば良いのでしょうか?匁とは直接関係ありませんが生地品質についても解説していきます。
御挨拶の粗品や御年賀によく使われる名入れタオルの場合、生地の品質は匁というより原産国(日本製か海外製か)による差が大きいです。 海外製と日本製のタオルを比べた場合、基本的には日本製タオルの方が値段が上がる分、生地も良質になります。
あくまでも主観ですが、例えば海外製の名入れタオル240匁と、日本製の名入れタオル200匁を比較した場合、日本製タオル200匁の方が生地品質的には良いタオルになります。 匁は少なくても、総合的に見ると日本製タオル200匁の方が「良いタオルだな」と思う人が多いはずですよ。
このように原産地による品質の違いもあるため、匁が大きいから必ず良いタオルかというとそうでもありません。 匁はあくまでも生地の厚さや密度の目安として考え、品質については生産国をチェックする様にしましょう。
名入れタオル市場では海外製はスタンダード名入れタオル、 日本製は泉州名入れタオルのカテゴリで販売しています。
ちなみに泉州というのは大阪にあるタオルの名産地ですので、より安心して高品質なタオルを作ることができますよ。品質重視の方は是非泉州名入れタオルをご利用ください。
※生産国による品質の違いは粗品用の名入れタオルの場合です。 オリジナルタオルに使用しているシャーリングタオルは海外製でも十分良質な生地になるのでその部分も覚えておきましょう。
ちなみに粗品用のタオルには「シリンダー加工」と「ソフト加工」という2種類の加工方法があります。
シリンダー加工(シリンダータオル)は安価な分、ペタッとしてボリューム感はあまりありません。 逆にソフト加工(ソフトタオル)は柔らかくてふわっとした肌触りとなる反面、価格も高くなります。
この二つの違いもタオル選びの際には重要なので覚えておくときっと役に立ちますよ。
当サイトでは激安価格がウリのスタンダード名入れタオル ホワイトはシリンダータオル、 その他の名入れタオルはソフトタオルを使用しています。 (泉州名入れタオル ホワイトは160匁のみシリンダータオル、180匁以上がソフトタオルとなります)
ここまでは匁についての説明や注意点などを説明してきました。ここからは各用途で名入れタオルを作成する場合のおすすめの匁をご紹介します。
銭湯や温泉旅館・大浴場など、タオルを濡らして使う事が想定される場合は、160匁や180匁の薄手のタオルがおすすめです。 お風呂などでタオルを濡らして使う場合はちょっと薄めの生地の方が絞りやすいですよね?そのため、濡らして使われるウェットユースのタオルには薄手の生地が好んで使用されています。
乾くのも早いので、濡らして使う事が多い場合は160匁・180匁のタオルにするとよいでしょう。
タオルの生地はあまり気にしないからとにかく値段を安くしたい!という方や、粗品タオルは価格が最優先!という方にも薄手の160匁・180匁のタオルはおすすめです。 使用している綿素材が少ないため、薄手のタオルは価格も抑えて作成することが可能です。
160匁だと確かにうすい感じはありますが、日常的な用途に使用する分にはそこまで気にはならないと思いますので、 予算を抑えたい方は薄手のタオルで検討してみるのも1つの手です。
記念品やビジネスギフトなどで名入れタオルを製作する場合は、やや厚みのある220匁や240匁で製作するのがおすすめです。 贈り物として相手にタオルを渡す場合は、あまり薄いと安っぽい印象を与えてしまう恐れがあります。 そういったことの無いように厚めのタオルで製作をすれば渡した方の印象も良くなるでしょう。
もちろん160匁や180匁のタオルじゃダメというわけではありませんが、予算が許すのであれば220匁以上の厚みで名入れタオルを製作するのがおすすめです。 また、先述の通り海外製のスタンダード名入れタオルよりも日本製の泉州名入れタオルの方が生地の品質が良くなりますので、 ご予算が合えば記念品などは泉州名入れタオルで作成するのがおすすめです。
名入れタオルに使われるフェイスタオルの場合、最もよく使われているのは200匁のタオルといわれており、粗品タオル・ご挨拶用のタオルにも広く使われています。 なので、初めてで良く分からないという方や、迷っている方はとりあえず200匁のタオルで名入れタオルを製作するのがおすすめです。 広く普及している厚みなので、大きな失敗をするリスクもありません。
まずは200匁で作ってみて、もう少し厚みが欲しければ次は220匁、薄手にしたければ180匁、というように変えていけばよりイメージに近い名入れタオルが制作できますよ。
上記はほんの一例で、全てのケースに当てはまるわけではありませんが、名入れタオルの匁を決める時の大まかな目安として参考にしてもらえれば嬉しいです。
匁について意味や使われかた、選び方をご紹介させてもらいましたがいかがでしたでしょうか。 少しでもタオル作成のお役に立てれば嬉しいです。最後にいままでの内容をおさらいしてみましょう。
要約するとこんな感じになります。色々書いていくとキリがなく、まだまだ長くなってしまいそうなので今回はこの辺でまとめておきます(笑) コラム記事の中で気になることや分からないことがあればお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
また、実際のタオルを見て比較したい方には無料の生地サンプルもご用意しています。ご希望の方は無料サンプルお申込み画面からお申し込みください。
余談ですが匁はタオル業界では目方(めかた)と呼ばれていて、タオルを加工する場合には織り目方と仕上がり目方というものがあります。それぞれ意味が違うのでご紹介していきますので、もし興味がある方は読んでみてください。タオル屋さんと話をするときに使ってみると「詳しいですねぇ」と褒められるかもしれませんよ(笑)
織り目方とは、タオルを織りあげた時の匁の事です。 織り目方が200といった場合、200匁のタオル(1枚約62.5g)になるように織られたタオルの事ですね。 別名匁織りと言われることもあり、200匁織り=織り目方200のタオルとなります。どちらも同じ意味になります。
仕上がり目方とはシャーリング加工など、タオル生地を加工する場合に加工後の匁を表す数字になります。 (シャーリング生地についてはパイル生地とシャーリング生地の違いをご覧下さい。) 仕上がり目方が260匁といった場合、パイルを刈り取った加工後の重さが260匁(1枚あたり約81g)というわけです。
要するに織り目方は加工前の匁、仕上がり目方は加工後の匁というわけですね。 ちなみに当サイトのシャーリングタオルは全て加工後の仕上がり目方で表記しています。 サイトに表記されている匁より軽くなることはありませんのでご安心ください。(ただし、数グラム単位の誤差は発生します。生地製品はどうしても多少のばらつきが出てしまうので、どうか大目にみてやってくださいm(_ _)m)